パッタダカル(英語表記)Pattadakal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パッタダカル」の意味・わかりやすい解説

パッタダカル
Pattadakal

インド南部,カルナータカ州に残るチャールキヤ朝 (6~8世紀) の第三の都跡と寺院を中心とした遺跡。代々チャールキヤ朝の戴冠式が行なわれた場所として知られ,7世紀末から8世紀にかけて建造された寺院が多く残されている。代表的なものとしては8世紀前半,南インドの強国パッラバ朝との覇権争いに勝利したビクラマーディティヤ2世のために王妃たちが造営を命じた,ビルーパークシャ寺とそれに隣接するマリカールジュナ寺がある。いずれも水平層を階段状に重ねた形の屋根をもつ,ドラビダ型建築と呼ばれる南インド型建築物である。また,王は敵方であったパッラバ朝の建築文化に感銘し,石工や工匠たちを呼び寄せ,寺院の建築・装飾にあたらせた。このほか,シカラと呼ばれる独特の塔を戴く北インド型のパーパナータ寺やガラガナータ寺などもあり,二つの建築様式が混在している。 1987年世界遺産の文化遺産に登録。

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