ヒメレンゲ(読み)ひめれんげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメレンゲ」の意味・わかりやすい解説

ヒメレンゲ
ひめれんげ
[学] Sedum subtile Miq.

ベンケイソウ科(APG分類:ベンケイソウ科)の多年草。直径1センチメートルほどの小さなロゼットをつくり越冬する。ロゼットの葉はさじ形で長さ1センチメートル内外で柄がある。早春、ロゼットの先端が伸びて、5~6月に頂に花序を出す。花弁は黄色。裂開前の葯(やく)は赤色で目だつ。花期後、花茎の基部の葉腋(ようえき)から先端に葉を数個つけた走出枝を出す。走出枝の先端についた葉はふたたびロゼットをつくり越冬する。夏や冬に水がれするような小さな沢沿いの岩上に多く、関東以西の本州四国、九州に自生し、中国とベトナムに別の亜種を産する。

[大場秀章 2020年3月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヒメレンゲの言及

【マンネングサ(万年草)】より

…葉が対生する種にはマルバマンネングサS.makinoi Maxim.がある。葉が互生の種群には,高山や亜高山に生え,小型で,茎葉が赤紫色に染まり,葉は線状円柱形で,葉幅2mm以下のミヤママンネングサS.senanense Makino(染色体数2n=18),海岸岩上に生え,葉は卵形で長さ7mm以下,葉幅2~3.5mmのタイトゴメS.oryzifolium Makino(染色体数2n=20),平地の人家近くの岩場や石垣に生え,冬季には茎葉が赤くなり,葉が線状円柱形で長さ6~18mm,幅2~3.3mmのメノマンネングサS.japonicum Sieb.(染色体数2n=29,38,48),渓流の岩上に生え,葉がさじ形のヒメレンゲS.subtile Miq.,越冬一年草で,道路やあぜ道などに見られ,葉腋(ようえき)に不定芽をつくり繁殖するコモチマンネングサS.bulbiferum Makinoなどがある。これらは日本産の代表種である。…

※「ヒメレンゲ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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