日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビジネス・ウィーク」の意味・わかりやすい解説
ビジネス・ウィーク
びじねすうぃーく
Bloomberg Businessweek
アメリカの週刊ビジネス誌。『フォーブス』『フォーチュン』と並ぶ三大英字ビジネス誌の一つである。出版大手のマグロウヒル(現、S&Pグローバル)が長く刊行してきたが、2010年に経済メディア大手のブルームバーグ社Bloomberg L.P.(本社ニューヨーク市)が買収し、正式名称は『ブルームバーグ・ビジネスウィーク』となった。紙媒体とインターネット上のデジタル媒体(businessweek.com)がある。三大ビジネス誌のなかで唯一週刊のため、時事ニュースの解説に強みをもつ。世界の主要ビジネススクールのランキングを毎年公表しており、世界の学生らから注目されている。
1929年に世界恐慌が発生する7週間前、アメリカの雑誌大手マグロウヒル社の社長を務めたマルコム・ミュアMalcolm Muir(1885―1979)が創刊した。金融、雇用、マーケティング、経営、アメリカ政府の政策動向など経営に関する情報が充実し、1970年代以降は消費者サイドの情報にも重点を置いてきた。ビジネススクールのランキングに定評があり、1988年に公表を始めたアメリカのMBA(経営学修士)課程のランキングである「Annual ranking of United States business school MBA programs」は、世界の学生や企業からの関心度が高い。ただネットの普及に押され、紙媒体の『ビジネス・ウィーク』の販売や広告収入は低迷。国内販売部数は98万部(2016)。
[矢野 武 2017年12月12日]
『森岡裕一・関西生産性本部編著『「ビジネス・ウィーク」を読む――アメリカNo.1の経済週刊誌を読むためのガイド』(1994・日本生産性本部)』