日本大百科全書(ニッポニカ) 「MBA」の意味・わかりやすい解説
MBA
えむびーえー
Master of Business Administration
企業の経営に役だつ実践的戦略や指導力などを学問として修得したことへの認証。経営学修士と訳される。約2年の間に財務、会計、マーケティングなど40~60単位の修了を義務づけられる場合が多い。欧米有名大学でのMBAは、その取得の難しさと、世界のビジネス界に広がる同窓生の人脈をも含め、ビジネスエリートのパスポートと称される。
アメリカのペンシルベニア大学ウォートン校Wharton Schoolが製鉄関係者の寄付を基に、1881年に導入したのが最初とされる。20世紀初頭にハーバード大学のハーバード・ビジネス・スクールHarvard Business Schoolが具体的な企業戦略の実例を「ケースメソッド」としてまとめ、経営判断力を磨く授業スタイルを取り入れて、世界に広がった。AACSB(The Association to Advance Collegiate Schools of Business)などMBA教育の質を保証する国際認証機関も多数あり、欧米経済誌はMBAコースのある経営大学院のランキングを毎年公表している。
日本では慶応義塾大学が1978年(昭和53)にMBA取得課程を導入、多くの大学がMBA取得コースをもつ。ただ2008年からの世界金融危機を招いたアメリカの金融機関の経営者の多くがMBA取得者だったこともあり、近年、その教育内容を見直すべきだとの指摘も出ている。
[編集部]