ビバンティ(その他表記)Vivanti, Annie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビバンティ」の意味・わかりやすい解説

ビバンティ
Vivanti, Annie

[生]1868. ロンドン
[没]1942. トリノ
イタリア女流作家。父親はガリバルディ隊員で母親はドイツの女流作家であった。青春時代までをスイス,イギリス,アメリカで過し,初めオペラ歌手を志望したが,1890年にトレベス社から処女詩集『リリカ』 Lyricaを出版。 G.カルドゥッチ序文を得て,一躍文名をあげた。当時最高の詩人カルドゥッチは女子と僧侶に詩はわからないと常々語っていた。多作家で,波乱に富んだ生涯をおくったが,カルドゥッチとの友情は長く続いた。主著『貪欲な人々』I divoratori (1911) ,『喜び』 Gioia! (21) ,『クレオパトラの土地』 Terra di Cleopatra (25) ,『われらが魂を救いたまえ』 Salvate le nostre anime (32) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビバンティ」の意味・わかりやすい解説

ビバンティ
びばんてぃ
Annie Vivanti
(1868―1942)

イタリアの女流作家。政治亡命者の子としてロンドンに生まれる。イタリアへ入ったのち、文豪カルドゥッチの愛を受けた。彼は彼女の処女詩集『リリカ』(1890)に序を寄せ、また美しい詩編を捧(ささ)げた。1891年、自伝的小説『マリオン』によって成功を収める。約10年の文業の中断を挟み、以後、通俗なセンチメントに訴える小説群、『飽くなき者たち』(1911)、『ジプシー娘』(1918)、『わが罪』(1927)などによって一世を風靡(ふうび)し、両大戦間の流行作家となった。

[古賀弘人]

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