国際的にはビーチ・バレーボール、日本国内ではビーチバレーを正式名称としている。室内6人制バレーボールとルールが類似しているが、コートチェンジやブロックの際の返球などでは、ビーチバレー独特のルールがある。競技は2人制で、砂の上で行う。
[瀬戸山正二]
1895年に考案されたバレーボールが、アメリカ国内でレクリエーション・スポーツとして普及し、ハワイなどの海岸でも楽しまれていたのがビーチバレーのルーツである。1930年代にアメリカのサンタモニカの海岸で2人制のビーチバレー競技が始まったのが発祥とされる。その後アメリカでプロスポーツとして発展し、ヨーロッパ、ブラジルなどに伝わった。1987年に第1回の世界選手権をブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催(国際バレーボール連盟FIVB=Fédération Internationale de Volleyball公認)、初代世界チャンピオンはアメリカのシンジン・スミス、ランディ・ストクロスのペアであった。オリンピックの正式種目としては1996年アトランタ大会から採用された。
日本国内では1987年(昭和62)第1回の男子日本選手権として、ビーチバレー・ジャパンが始まり、1988年には女子日本選手権としてビーチバレー・ジャパン・レディースが開催された。その後、多くの競技会が開催されるようになった。オリンピック・アトランタ大会では、男子はアメリカ、女子はブラジルのペアが金メダルを獲得した。日本からは男子1ペア、女子2ペアが参加し、女子の高橋有紀子・藤田幸子(さちこ)のペアが5位に入賞した。その後の、2000年オリンピック・シドニー大会で女子の佐伯(さいき)美香・高橋有紀子ペアが4位に入賞、2008年北京大会で男子の朝日健太郎・白鳥勝浩のペアが9位に入賞したのが、2012年時点での日本ビーチバレー・チームのオリンピックにおける最高位である。
[山岸紀郎・瀬戸山正二]
試合方法は、1セット21点(第3セットは15点)のラリーポイント制3セットマッチで、2セットを先取したチームが勝ちとなる。第1・第2セットは両チームの得点の合計が7の倍数になったとき、第3セットは両チームの得点の合計が5の倍数になったときにコートを交替する。国際大会の決勝戦も同様である。
プレーの制限については、相手コートに返球するまでに、チームは最大限3回ボールに接触することができる。ブロック・タッチを1回のプレーとみなし、残り2回のプレーで相手コートに返球する。手のひらでのティプtip(タッチプレー)や方向を変えるオーバーハンド・パスでの攻撃は反則である。
[瀬戸山正二]
コートの広さは、縦16メートル、横8メートルであり、室内6人制バレーボールより縦2メートル、横1メートル狭い。ネットの高さは室内6人制バレーボールと同じで、男子2.43メートル、女子2.24メートルである。コートは、ロープまたはテープで区画され、センター・ライン、アタック・ラインはない。
ボールは円周66~68センチメートルで、室内6人制バレーボールより1センチメートル大きく、重さは260~280グラムである。内気圧は171~221ミリバール(mbar)で、室内6人制バレーボールの6割程度である。ボールは明るい配色とされている。FIBVの国際大会では、3個のボールが使用される。ウェアについては、ショートパンツまたは水着を用い、シャツはジャージーやタンクトップでもよいが、大会規定で定められている場合はこれに従う。帽子をかぶってもよい。FIVBの国際大会では大会規定により、チームは同一色で同じデザインのユニフォームを着用しなければならない。主審の許可がない限り、裸足(はだし)でプレーする。
[瀬戸山正二]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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