ジャージー(読み)じゃーじー(その他表記)jersey

翻訳|jersey

デジタル大辞泉 「ジャージー」の意味・読み・例文・類語

ジャージー(jersey)

メリヤス編み布地。細いうねがあって柔らかく、伸縮性に富む。
1の布地を使った、ラグビーなどで着用するユニホーム。また、一般に運動着のこと。ジャージ。
家畜の牛の一品種。英国のジャージー島の原産。小形の乳牛で、乳汁は脂肪が多くバター製造に適する。

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精選版 日本国語大辞典 「ジャージー」の意味・読み・例文・類語

ジャージー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] jersey )[ 異表記 ] ジャージ
  2. ( イギリス海峡のジャージー島の漁夫用衣料に用いられていたことによる ) メリヤス地の総称。毛、綿、絹、化繊などの糸を用いて編み、縮絨(しゅくじゅう)仕上げをほどこしたもの。軽く伸縮性がある。セーター、ドレス、スーツ、コートなど広く用いられる。また、この編み地に似せて織られた布地を呼ぶことがある。
    1. [初出の実例]「このジャージイをのぞいてはすべてを売りつくして了っていた」(出典:三界(1948)〈田宮虎彦〉)
  3. を使った運動着。特に、ラグビーのユニホームのシャツ。〔モダン辞典(1930)〕
  4. ( Jersey ) 乳牛の品種。イギリスのジャージー島原産で、小形だが、脂肪分の多い乳を出し、バター用の原料乳としてすぐれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャージー」の意味・わかりやすい解説

ジャージー(メリヤス)
じゃーじー
jersey

もとメリヤス編みでつくったセーター、あるいは下着の名称であったが、近年は細番手の毛糸を使い、横編機または丸編機によって編成された厚地のメリヤス生地(きじ)の総称となっている。また、ジャージーの風合いに似せて、撚(よ)り方向の違う紡毛単糸を1本置きに使い縮絨(しゅくじゅう)して、伸縮性のある地合いにした経緯縮緬(たてよこちりめん)をさすこともあるが、これは日本だけの名称である。ジャージー・クレープjersey crépeなどがこれで、いずれも手ざわりの柔らかい織物である。このジャージーという呼び名は、イギリス海峡にある最大の島(ジャージー島)の名で、ここで産出される羊毛でつくった粗末なセーターに由来するといわれる。

 編物は、経編機ではトリコットラッセル、ミラニーズなどの機械が用いられているが、丸編機のほうが生産能率が高いため、現在では、大半が丸編機を使って円筒形に編成し、縦の方向に1か所を切り開いて平面状の生地としている。原糸はもと毛の甘撚(あまより)糸を使っていたが、絹・木綿や、最近では合繊との混紡糸も広く使われ、柔らかく、伸縮性のある生地がつくられている。用途はセーター、肌着、手袋などであったが、近年になって需要が多く広範囲にわたって使用をみ、上着、ワンピースオーバーコートに至るまで用いられる。しかし使用に際しては伸縮性が大きいので、ミシンかけ、アイロンかけに注意を要する。

[角山幸洋]


ジャージー(動物)
じゃーじー
Jersey

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。家畜ウシの乳用品種で、イギリス海峡にあるチャネル諸島のジャージー島で、ブルトンノルマン交雑種を200年にわたって純粋繁殖して成立し、1866年から登録開始。毛色は淡褐色暗褐色個体変異があり、頭、頸(くび)、肩、臀(しり)などは濃くぼかしになっている。体の下部、足の内側は淡色で、雄のほうが毛色は濃い。鼻鏡は黒く、その周囲に白い毛の輪があり、頭面はしゃくれ、角(つの)は短い。体格は典型的な乳用型で小さく、体重は雌380キログラム、雄700キログラム、体高は雌1.22メートル、雄1.35メートル。性質は温順であるが神経質。早熟で、年間総乳量は3600キログラムほどであるが、乳質が優れ、乳脂率は5%と高く、バターの原料乳に適する。日本には1874年(明治7)に初めて輸入されたが、1954年(昭和29)から翌年にかけて、原料乳生産のため1万2000頭ほどが集中的に輸入された。

[西田恂子]


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改訂新版 世界大百科事典 「ジャージー」の意味・わかりやすい解説

ジャージー
jersey

裁断・縫製してつくる外衣用に用いるメリヤス生地の総称。イギリス海峡のジャージー島で17世紀以来つくられてきた漁夫のシャツに由来する。それ以前からこの島のニットの衣服はイギリスやフランスで評判になっていたという。19世紀にはフットボールなどのスポーツに,また登山やゴルフにとり入れられていった。ジャージーは大別して,シングル・ジャージーとダブル・ジャージーに分類される。シングル・ジャージーとはおもに平編を基本とし,この変化組織を含めた編地であり,ダブル・ジャージーとはおもにゴム編,インターロック(両面,スムーズともいう)を基本とし,この変化組織を含めた編地をいう。加えてパール編を基本とし,この変化組織を含めた編地も一般的にはダブル・ジャージーといわれている。これらは紡毛糸,梳毛糸(そもうし),綿糸,絹,化学繊維でつくられ,さらにそれらに起毛したり捺染(なつせん),刺繡などをほどこしたりしたものもある。伸縮性,多孔性,また成型可能の面で織物と異なる特有の機能をそなえている。ワンピース,スーツ,ブレザー,スカート,ズボン,茶羽織,スポーツシャツ,ポロシャツ,帽子,手袋,水着にいたるまで広範囲に用いられている。
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百科事典マイペディア 「ジャージー」の意味・わかりやすい解説

ジャージー[種]【ジャージー】

乳牛の一品種。英国のチャネル諸島ジャージー島原産。雌で体重400kg前後の小型種。毛色は淡黄褐色か濃褐色。乳量は少ないが,脂肪分が5.2%と多く,バターやクリーム生産に最適。戦後の日本では1953年以来,高原地帯に適するとしてかなり輸入されたが,ホルスタイン種に比べて現在でも頭数は少ない。
→関連項目ウシ(牛)ガーンジー[種]ジャージー[島]

ジャージー[島]【ジャージー】

英領チャネル諸島中最大の島。フランス海岸の西方約24kmにある。現在もノルマン系の住民が多く,フランス語が常用されている。乳牛ジャージー種の原産地。気候温和な保養地。ジャガイモ,トマト,早期栽培の野菜などを産する。中心都市セント・ヘリア。116km2。約8万7200人(2001)。

ジャージー

編み目の細かいメリヤス地およびそれに似た外観をもつ織物。本来は英国ジャージー島産の毛糸編物であった。近年は羊毛に限らず化学繊維,綿なども用いる。編物は甘撚(あまより)糸で柔軟に編む。織物は右撚糸と左撚糸を交互に経緯(たてよこ)に織り込み平織としたもので表面に畝(うね)を出す。ともに軽く伸縮性に富むので,婦人・子ども服,セーター,下着,運動服などにする。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャージー」の意味・わかりやすい解説

ジャージー
jersey

狭義にはメリヤス地の総称。広義にはメリヤス風織物も含まれる。メリヤス地は丸編機または縦編機で紡毛糸,梳毛 (そもう) 糸,綿糸,絹糸,化繊糸を用いて編み,縮絨 (しゅくじゅう) 仕上げをしたなめらかな編み地で,伸縮性,柔軟性に富み,紳士・婦人・子供服,スポーツウエアなどに用いる。メリヤス風織物は,撚 (よ) り方向の異なった純毛単糸を1本おきに使い,軽く縮絨してメリヤスの風合いを出す。繊維は羊毛,絹,人造繊維を用い,平織または平織と他の組織を併用する。名称は,イギリス海峡のジャージー島で,古くから用いられた漁民用衣類の布地に由来している。

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世界大百科事典(旧版)内のジャージーの言及

【ウシ(牛)】より

…〈乳牛の女王〉と呼ばれ全世界に広く飼われている。(2)ジャージー種Jersey(イラスト)イギリス海峡にあるジャージー島原産。褐色の小型のウシで体型は典型的な乳用型を呈す。…

※「ジャージー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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