ピアンキ(英語表記)Piankhi

改訂新版 世界大百科事典 「ピアンキ」の意味・わかりやすい解説

ピアンキ
Piankhi

ナイル川中流第4急湍(きゆうたん)のすぐ北のナパタを都としたナパタ王国第2代の王(前8世紀後半)。ピPiまたはペイPeiともいう。北上してエジプト侵略,ヘラクレオポリス付近までを制圧し,第23王朝の王オソルコン3世をはじめ下エジプトの諸侯たちも一時王に朝貢した。ナパタに凱旋後建てた記念碑は王の親征の模様をつぶさに伝えている。テーベのアメン神に対する信仰あつく,妹で妻であったアメナルディスがテーベの女性神官長となるように計らい,この神とその神託にもとづく神裁政治を敷き,またナパタでもその神殿を造営した。弟シャバカShabakaはエジプト全土を統一して第25(エチオピアまたはカシュ)王朝を開いた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピアンキ」の意味・わかりやすい解説

ピアンキ
Piankhi

クシュ王 (在位前 751頃~前 716頃) ,古代エジプト第 25王朝初代の王。パンキとも呼ばれる。古代エジプトの第 23王朝が名目的な支配をしていた当時,ヌビアにあるナイル河畔のナパタを首都として,クシュの君主の地位にあった。やがてエジプトに侵入して第 24王朝のテフナクト王を中エジプトから駆逐し,メンフィスその他の諸都市をも征服。テフナクトに臣下の誓いをさせたあとクシュに帰還。エジプト国立博物館所蔵の彼の建造した花崗岩石碑には,エジプトにおける武勲が刻まれている。伝承によれば,弟シャバカが第 25王朝を創始したといわれるが,最近ではピアンキを初代国王とするのが通説である。

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