改訂新版 世界大百科事典 「ピアンキ」の意味・わかりやすい解説
ピアンキ
Piankhi
ナイル川中流第4急湍(きゆうたん)のすぐ北のナパタを都としたナパタ王国第2代の王(前8世紀後半)。ピPiまたはペイPeiともいう。北上してエジプトを侵略,ヘラクレオポリス付近までを制圧し,第23王朝の王オソルコン3世をはじめ下エジプトの諸侯たちも一時王に朝貢した。ナパタに凱旋後建てた記念碑は王の親征の模様をつぶさに伝えている。テーベのアメン神に対する信仰あつく,妹で妻であったアメナルディスがテーベの女性神官長となるように計らい,この神とその神託にもとづく神裁政治を敷き,またナパタでもその神殿を造営した。弟シャバカShabakaはエジプト全土を統一して第25(エチオピアまたはカシュ)王朝を開いた。
執筆者:加藤 一朗
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報