ピジョンきせき
ピジョン輝石
pigeonite
化学組成(Mg, Fe2+, Ca)(MgFe2+)Si2O6の鉱物。Caに乏しい単斜晶系の輝石。CaSiO3 5~15%含む。空間群P21/c,格子定数a0.973nm, b0.895, c0.526, β108.6°,単位格子中4分子含む。茶・暗緑~黒色の短柱状,板状結晶,双晶面(100)。劈開面{110},断口不規則~貝殻状,硬度6,比重3.30~3.46。ガラス光沢,条痕白色,灰~灰緑色。屈折率α1.682~1.722, β1.684~1.722, γ1.705~1.751,二軸性正,光軸角0°~30°, 消光角37°~44°, 薄片中無色~淡茶・淡緑色,ときに弱い多色性あり,光分散r>vあるいはr<v。産状は,1)主に安山岩,デイサイト等急冷した火成岩の斑晶鉱物,石基鉱物として産する。2)ソレアイト質苦鉄質深成岩類ではオージャイトの離溶構造をもった直方輝石に転位したインバーテッド・ピジョン輝石を産する。名称は産地米国ミネソタ州のピジョン岬(Pigeon Point)より,A.N.Winchellが命名。
執筆者:宇井 忠英
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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ピジョン輝石 (ピジョンきせき)
pigeonite
Caに乏しい単斜輝石の一種。化学組成は(Mg,Fe2⁺,Ca)(Mg,Fe2⁺)Si2O6で,Ca/(Mg+Fe+Ca)が0.5~0.15の範囲のものを指す。褐色,緑褐色,黒色の短柱状~粒状結晶。単斜晶系。モース硬度6。比重3.17~3.46。へき開が{110}{110}に顕著で,両者は約87度で交わる。多くはソレアイト質系列の安山岩,玄武岩,デイサイトなど比較的急冷した火成岩の石基に,またまれに斑晶として出現する。Caに乏しい単斜輝石は低温では不安定なため,斑レイ岩など粗粒で徐冷した岩石中では分解してしまう。その結果,斜方輝石中にCaに富む単斜輝石(オージャイトやフェロオージャイト)を一定の面(もとのピジョン輝石の{001}面)に沿って離溶する。これは〈転移したピジョン輝石inverted pigeonite〉と呼ばれる。隕石の一種であるエコンドライトにはしばしば含まれ,とくにエコンドライトの一種であるユークライトでは最も主要な構成鉱物である。名は産地のアメリカ,ミネソタ州ピジョン岬にちなむ。
執筆者:永原 裕子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のピジョン輝石の言及
【輝石】より
…それらを特にファッサイトfassaiteと呼ぶことがある。[ピジョン輝石]pigeoniteは火山岩の石基にはしばしば出現するが,斑晶としてはまれである。ピジョン輝石は比較的高温でのみ安定であり,低温では斜方輝石とオージャイトとが安定である。…
【輝石】より
…それらを特にファッサイトfassaiteと呼ぶことがある。[ピジョン輝石]pigeoniteは火山岩の石基にはしばしば出現するが,斑晶としてはまれである。ピジョン輝石は比較的高温でのみ安定であり,低温では斜方輝石とオージャイトとが安定である。…
※「ピジョン輝石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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