ファイトアレキシン(英語表記)phytoalexin

デジタル大辞泉 「ファイトアレキシン」の意味・読み・例文・類語

ファイトアレキシン(phytoalexin)

植物病原菌侵入に対して産生する低分子抗菌性物質総称

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改訂新版 世界大百科事典 「ファイトアレキシン」の意味・わかりやすい解説

ファイトアレキシン
phytoalexin

phytoは植物,alexin防御物質の意味で,植物が微生物の侵入に反応して生産蓄積する低分子の抗菌性物質をいう。ファイトアレキシンは化学物質処理や虫害などによっても生産される。K.O.ミュラーとH.ベルガーがこの言葉を用いて(1940)以来エンドウからピサチン,サツマイモからイポメアマロンなど,多くの植物からファイトアレキシンが分離され,その化学構造が決定されている。分類学上同じ科に属する植物からは似た構造のものが見いだされる。一つの植物が生産するファイトアレキシンの種類は,侵入してくる病原体の種類によって変化しない。一般的に,病原菌は宿主の生産するファイトアレキシンに抵抗性をもつが,非病原菌生育を強く阻害される。一方,病原菌が感染した場合,ファイトアレキシンが低濃度でしか生産されない例もある。ファイトアレキシンは植物の病原菌に対する抵抗性に大きく関与している。
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百科事典マイペディア 「ファイトアレキシン」の意味・わかりやすい解説

ファイトアレキシン

病原菌に感染した植物によって誘導的に生産される低分子の抗菌性物質の総称。エンドウのピサチン,インゲンマメのファゼオリン,ダイズのグリセオリン,ジャガイモのリシチン,イネのオリザレキシンなど,現在までに約200種以上の物質が知られている。
→関連項目エリシター

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