ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フカンガ」の意味・わかりやすい解説
フカンガ(福康安)
フカンガ
Fukangga
[没]嘉慶1(1796).5.
中国,清朝中期の武将。フチャ (富察) 氏出身の 鑲黄旗満州旗人。字は瑤林。諡は文襄。乾隆朝に活躍した傅恒の子。侍衛,戸部侍郎,鑲黄旗満州副都統を歴任し,乾隆 37 (1772) 年から阿桂に従い金川の征討を行なった。その功で同 41年に三等嘉勇男の爵に封じられ,以降は正白旗満州都統,盛京将軍,雲貴総督,工部尚書などを歴任し,同 49年に甘粛でイスラム教徒が反乱するとこれを鎮定し,その功で嘉勇侯に封じられ,戸部尚書,吏部尚書を歴任した。同 52年に台湾の林爽文の乱に出征してこれを平定,同 54年に両広総督につき,安南の阮文恵の鎮圧に乗出してこれを来降させた。同 56年にグルカ族がチベットに侵入すると彼は将軍に任じられ,青海,チベットに兵を進め,ネパールに侵入してグルカ族と和議を結び帰国。乾隆帝の信任も厚く四川総督,雲貴総督を歴任し,同 60年の苗民の乱の征討を命じられて兵を進め,嘉慶1 (96) 年には忠鋭嘉勇貝子に封じられたが,同年5月軍中で病没した。さらに死後郡王を贈られた。
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