日本歴史地名大系 「ふけゐの浦」の解説 ふけゐの浦ふけいのうら 和歌山県:和歌山市吹上浜ふけゐの浦歌枕。「新古今集」に藤原清正の歌がある。<資料は省略されています>この歌は「清正集」には「紀のかみになりてまだ殿上もかへりせで」との詞書が付される。「大和物語」三〇段には、宇多天皇のもとに「紀の国より石つきたる海松」が献上されたとき、源宇于が「おきつかぜふけゐの浦にたつなみのなごりにさへや我はしづまむ」と詠んだ話がみえ、「ふけゐの浦」が紀伊であることは明らかである。また「いほぬし」にも先引の詞書を付した「をとめごが天の羽衣ひきつれてむべもふけゐの浦におる覧」などの歌が載り、これらにより「ふけゐの浦」が吹上浜の別名であることがわかる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報