日本大百科全書(ニッポニカ) 「フッ化キセノン」の意味・わかりやすい解説
フッ化キセノン
ふっかきせのん
xenon fluoride
フッ素とキセノンの化合物。1962年にキセノンが化学結合に直接関与する化合物としてXe[PtF6]が報告された直後から、世界各地の研究者からキセノン化合物合成の報告があり、その多くはフッ化物あるいはフッ化酸化物であった。代表的フッ化物としては、いずれも常温で固体となる二フッ化キセノンXeF2、四フッ化キセノンXeF4、六フッ化キセノンXeF6で、それぞれ条件は異なるが、キセノンとフッ素を直接反応させて合成される。二フッ化キセノン、六フッ化キセノンは他のフッ化物と付加化合物を生成する。すべてのキセノンフッ化物は不安定であり、容易に分解する。フッ化酸化物としてはXeF2O、XeF4Oなどが知られている。
[岩本振武]
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