日本大百科全書(ニッポニカ) 「フッ化水素中毒」の意味・わかりやすい解説 フッ化水素中毒ふっかすいそちゅうどく フッ化水素の吸入、経口、接触によっておこる中毒で、急性と慢性に分けられる。フッ化水素は無色の発煙性刺激臭のある液体で、冷媒、ガラス彫刻、電球つや消し、殺菌剤、ミサイル燃料、接着剤、フッ素樹脂など用途が広い。急性中毒は、吸入によって咳(せき)、呼吸困難、気管支肺炎や肺水腫(すいしゅ)をおこし、経口によって食道や胃部の疼痛(とうつう)、胃けいれん、嘔吐(おうと)などをおこす。慢性中毒としては斑(はん)状歯や骨の硬化がおこる。また、皮膚に付着すると、やけどや潰瘍(かいよう)を生ずる。労働衛生上の許容濃度は3ppmである。[重田定義][参照項目] | フッ素中毒 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例