フッ素繊維(読み)ふっそせんい(その他表記)fluorocarbon fibers

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フッ素繊維」の意味・わかりやすい解説

フッ素繊維
ふっそせんい
fluorocarbon fibers

テトラフルオロエチレンCF2=CF2(略称TFE)の懸濁重合で生成した粒子状のポリテトラフルオロエチレン-(CF2-CF2)-nにビスコースなどを混合し、エマルジョン紡糸し、さらに300~400℃で処理してビスコースを焼去し、のち熱延伸して強度を向上させた繊維である。引張り強さは羊毛と同程度であるが、水分吸収率は0%、溶融温度327℃で、260℃の高温まで使用可能と高温特性がよく、また耐化学薬品性や耐候性もきわめて大きいので、ガスケットなど特殊な用途に用いられる。

垣内 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フッ素繊維」の意味・わかりやすい解説

フッ素繊維
フッそせんい
fluorine containing fibre

含フッ素繊維,ポリフルオルエチレン系繊維,ポリテトラフルオルエチレン繊維,CTFE繊維などともいう。テトラフルオルエチレン TFEやクロロトリフルオルエチレン CTFEを重合させたポリテトラフルオルエチレン PTFEやポリクロロトリフルオルエチレン PCTFEを,特殊な紡糸法 (マトリックス紡糸法) で紡糸した繊維。耐熱性,耐摩擦性,耐薬品性,電気絶縁性にすぐれる。

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