日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンク
ふらんくふるたーあるげまいねつぁいとぅんく
Frankfurter Allgemeine Zeitung
ドイツの高級日刊全国紙。本部はフランクフルト。『ジュートドイッチェ・ツァイトゥンク』『ディ・ウェルト』とともに、ドイツの全国紙の一角を占める。題号は『フランクフルター・アルゲマイネ』で、その下の「ドイツのための新聞」という表記は、同紙がドイツを代表する新聞であることを自負していることの表れである。発行部数は約36万部(2010)。第二次世界大戦前の代表紙『フランクフルター・ツァイトゥンク』『アルゲマイネ・ツァイトンク』の元社員グループにより1949年11月1日に創刊された。編集全体を統括する一人の責任者(主筆や編集長)を置かずに、5人の合議制で編集方針を決めている。知識人、実業家、政治家など教育レベルの高い読者を対象とする。第一面には写真はいっさい掲載しないという保守的な紙面づくりを行っていたが、2007年にスタイルを一新し、一面にカラー写真を掲載するようになった。また、2001年から日曜版の『フランクフルター・アルゲマイネ・ゾンタークツァイツンク』を全国的に展開するようになっている。政治的論調は保守的な傾向があることで知られているが、文化面などは進歩的傾向が強い。
2000年4月から英語版の発行を始め、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクで『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』に別セクション(付録)として折り込まれて販売された。英語版は2002年から『FAZウィークリー』という週刊紙となり、2005年に休刊となった。
[伊藤高史]