ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フレデリク・ヘンドリク」の意味・わかりやすい解説
フレデリク・ヘンドリク
Frederik Hendrik
[没]1647.3.14. ハーグ
オランダ (ネーデルラント) 連邦共和国総督 (在任 1625~47) 。オランニェ公,ナッサウ伯。ウィレム1世 (沈黙公)の末子。兄の総督マウリッツのもとで軍務,政務を学び,兄の死後総督となった。スペイン軍の支配下にある諸都市を次々に攻略 (27~37) ,総督の権威の安定を策した。 1641年には息子ウィレム (のちのオランニェ公ウィレム2世) をイングランド王チャールズ1世の娘メアリーと結婚させ,ネーデルラントとオランニェ家の地位の安定と向上に努力し,共和国独立の国際的承認の獲得を大きく前進させた。彼の死の直後,48年1月スペインとミュンスターの和議が締結され,南部ネーデルラントのフランドル,ブラバンド,リンブルの境界までが共和国の領土として認められ,スペインは共和国の独立を認めた。また総督在任中,オランダ文化は最盛期を迎え,オランダ経済はヨーロッパ諸国を圧して,東西インド諸島や南北アメリカへ発展した。
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