ブツァー(その他表記)Martin Butzer

改訂新版 世界大百科事典 「ブツァー」の意味・わかりやすい解説

ブツァー
Martin Butzer
生没年:1491-1551

ストラスブールシュトラスブルク)の宗教改革者。Bucerとも綴られる。ドミニコ会修道士としてハイデルベルクに在学中に,ルター教説に触れて福音主義に転じ,1523年ストラスブールに至ってその地の教会改革に参与。教会制度の整備,学校教育の振興などその影響は広く南ドイツフランスにまで及んだ。追放されたカルバンが保護を求めたのもこの地であった。しかし,1548年のアウクスブルク仮信条協定に反対したためイギリス亡命を余儀なくされ,ケンブリッジ大学教授に任ぜられ,牧者論,聖書注解など多くの著作を残した。
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百科事典マイペディア 「ブツァー」の意味・わかりやすい解説

ブツァー

ドイツの宗教改革者。初めドミニコ会士でエラスムスに傾倒していたが,ルターに共鳴してプロテスタントの改革者となった。シュトラスブルクの改革運動を成功させ,また聖餐(せいさん)論争で分裂したプロテスタント陣営の一致や,カトリックとプロテスタントの再合同のために努力。晩年皇帝カール5世の宗教政策に反対してドイツを追われ,英国に亡命,ケンブリッジ大学教授として聖書を講じ,英国の宗教改革に貢献した。

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世界大百科事典(旧版)内のブツァーの言及

【改革派教会】より

…プロテスタント諸教会の総称として使われる場合もあるが,正確にはとくにルター派に対してカルバン派の教会を指す呼称。スイスと南ドイツの諸都市は,ルター主義と若干の隔りをおく宗教改革をした(ツウィングリ,ブツァー,エコランパディウスら)。これが改革派の源流である。…

【カルバン】より

…学者で宗教改革の実践に走るのは,フランスでほとんど前例を見ない挙であった。1536年にファレルの強い要請を受けてジュネーブの宗教改革に携わるが,教会の自立の思想を持つ彼らは市当局の教会政策と衝突して追放され,カルバンは38年から41年までシュトラスブルクにいて神学教授と亡命フランス人教会の牧師を兼ね,この市の改革者M.ブツァーたちから多くを学んだ。妻を迎えたがプロテスタントにおける家庭の理念は,カルバンによって基礎づけられた。…

※「ブツァー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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