日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラッテン」の意味・わかりやすい解説
ブラッテン
ぶらってん
Walter Houser Brattain
(1902―1987)
アメリカの固体物理学者。中国の厦門(アモイ)生まれ。ワシントン州で育ち、1929年ミネソタ大学大学院で学位を取得。その後ベル電話研究所(後のベル研究所)に入り、同研究所において半導体の実験的研究に従事。彼が進めた表面物理・薄膜物理に関する基礎研究は、その後の世界の半導体表面研究の発展の契機となり、電界効果トランジスタとして結実し、今日のエレクトロニクス発展の土台となっている大規模集積回路(LSI)を生み出すに至った。「半導体の研究、トランジスタ効果の発見」により、1956年ショックレー、バーディーンとともにノーベル物理学賞を受けた。
[大友詔雄]
『中村誠太郎・小沼通二編『ノーベル賞講演 物理学 第8巻』(1980・講談社)』▽『マイケル・リオーダン、リリアン・ホーデスン著、鶴岡雄二、ディーン・マツシゲ訳『電子の巨人たち』上下(1998・ソフトバンク出版事業部)』