知恵蔵 「ブログジャーナリズム」の解説 ブログジャーナリズム ブログ(ウェブログ)を通じて、社会性をもつ情報の発信や意見の表明を行う活動で、草の根ジャーナリズムとかかわる。これまでのジャーナリズムがマスメディアに拠っていたのに対して、多くの人々がネット上で自由かつ容易に受発信可能なブログを通じて行われ、影響力のある有力なブロガー(ブログの書き手)も誕生している。個人の日記風の感想にとどまらず、一定の調査や取材など事実検証のプロセスや意見表明の裏づけが期待され、読者からの意見や感想などのフィードバックがなされることによって、事実の修正や確認、あるいは対話による議論の発展などの可能性をもつ。主観的であるとか事実の裏づけに乏しいとする批判もある半面、多くの人々の情報発信や意見表明の欲求に応え、マスメディアには上がってこない多様な事実や意見の伝達も可能となる。アメリカではとくに2004年に民主党・共和党の両党大会の様子がブログによって広く伝えられ、ブログジャーナリズムを発展させる大きなきっかけになった。05年に起きたアップルコンピュータ新製品に関するブログの先行記事をめぐる情報源開示訴訟や記者会見への出席の可否などで、取材活動の保護資格について職業ジャーナリズムとの違いの有無が問題にされることがある。 (浜田純一 東京大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by