ブントシュー(読み)ぶんとしゅー(英語表記)Bundschuh ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブントシュー」の意味・わかりやすい解説

ブントシュー
ぶんとしゅー
Bundschuh ドイツ語

中世末期、ライン上流地域で起こった一連農民一揆(いっき)。ドイツ農民戦争先駆をなす。「ブントシュー」とは、長い革紐(かわひも)のついた農民靴のことで、転じて一揆旗印となった。最初は1493年エルザスのシュレットシュタット一揆であるが、事前に発覚した。次は1502年シュパイアー司教管区ウンターグロームバハの農奴ヨス・フリッツが企て、組織したもの。これも失敗したが、フリッツは逃れ、13年春フライブルク市近郊レーエンで再度一揆を組織した。これも密告にあって挫折(ざせつ)。フリッツは17年春、三度ライン上流一帯で陰謀を企てたが、事前に漏れ、彼は身を隠し、二度と現れなかった。領主権力の廃止、封建地代の廃棄などの一揆の要求は、農民戦争に受け継がれた。

[瀬原義生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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