改訂新版 世界大百科事典 「プカロンガン」の意味・わかりやすい解説
プカロンガン
Pekalongan
インドネシア,ジャワ島中部のジャワ海に面した都市。人口27万2208(2003)。行政上は中部ジャワ州プカロンガン県の県庁所在地であるとともに,県と同格の二級行政都市でもある。人口増加率は,1961-71年が年平均0.84%,1971-80年が同1.95%である。海岸にある都市のため,ジャワ島においては比較的早い時期(16世紀前半)からイスラム化された町で,デマック国,のちにマタラム・イスラム王国の配下に入ったが,18世紀中にはすでに砂糖生産地としてオランダ植民地に組み込まれてしまった。町の周辺は水田稲作地帯であるが,概して貧しいためジャカルタへの出稼移住者が多い。町はバティック(ジャワ更紗)の町として名高く,国営の大工場以外に,かなりの数の中小のバティック工場がある。バティックの本場のソロやジョクジャカルタよりは質は低いといわれるが,ここで生産される安価なサロンなどは広く出回っている。
執筆者:村井 吉敬
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報