プラスチック耐火物(読み)プラスチックたいかぶつ(英語表記)plastic refractories

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラスチック耐火物」の意味・わかりやすい解説

プラスチック耐火物
プラスチックたいかぶつ
plastic refractories

不定形耐火物の一種。耐火性の骨材と耐火粘土その他の粘結材に,水を加えて練った練り土状のもの。一般に乾燥,焼成すると硬化する。施工現場で,ハンマー木槌などで所要の形状に打込んで使用する。練りものなので,施工がたやすく,継ぎ目なしの炉体をつくることも可能で,冷気の侵入や,熱ガスの漏出,または耐火煉瓦構造のような目地からの崩壊がない。必要に応じて,鉄骨などの補強もできる。そのほか,損傷個所だけの補修も容易であり,熟練技能を必要としないなどの利点が多い。種類と用途は次の通り。 (1) 粘土質中熱用 骨材はシャモット (粘土質原料を一度 煆焼したもの) ,最高安全使用温度 1300~1400℃。一般窯炉の壁,天井,床。 (2) 粘土質高熱用 骨材,シャモット,1400~1500℃。ボイラ,溶解炉。 (3) 高アルミナ質 骨材,高アルミナ質シャモット,1600~1650℃,高熱炉燃焼室の天井,壁,床。 (4) クロム質 骨材,クロム鉄鉱,1500~1600℃。ボイラ水冷壁,加熱炉,炉床その他。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報