日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリシビン」の意味・わかりやすい解説
プリシビン
ぷりしびん
Михаил Михайлович Пришвин/Mihail Mihaylovich Prishvin
(1873―1954)
ロシアの小説家。ドイツのライプツィヒ大学に留学、農学を学んだ。帰国後、農業技師となる。しばしば訪れた北部ロシアの自然を観察したエッセイ『恐れ知らぬ鳥たちの国で』(1907)で一般に知られるに至ったが、作家としての本格的な活動は革命後で、自伝的長編小説『カシチェイの鎖』(1923~36)によって文名を確立した。自然観察者として、自然との交感による人間の生の喜びを細やかに描く彼の特質は、この作品によく示されている。ほかに『鶴(つる)の国』(1929)、『森のしずく』(1940)、『現代物語』(1957)など。
[灰谷慶三]