知恵蔵 「プリントゴッコ」の解説
プリントゴッコ
プリントゴッコは、原紙に開けた微細な穴にインクを通過させて写す「孔版印刷」と呼ばれる印刷技術を用い、製版と印刷を1台の機械でできるようにしたのが特徴。まず、自分で文字やイラストを描いて作った原稿を機械に乗せて、フラッシュランプの熱で原紙に焼き付けて製版する。それにインクを乗せて機械にセットし、はがきなどに1枚ずつ押して印刷するのが基本形だ。開発に当たって描いたイメージは、「親子が家庭で『印刷ゴッコ』をしている姿」だという。
印刷の高精度化、連続印刷、写真印刷、布への印刷など、技術的な改良や新機能を加えながら31年間に様々な機種を発売し、最盛期の1987年には年間約72万台を販売した。96年には累計販売台数が1000万台を突破するなど、多くの家庭に浸透した。しかし、90年代後半から家庭にパソコンとプリンターが普及し、年賀状を出す人が減ってきたことも影響して、販売が減少した。
(原田英美 ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報