内科学 第10版 「プリン体異常」の解説
プリン体異常(脱髄疾患)
Lesch-Nyhan症候群
定義・概念
1964年,医学生のLeschと指導者のNyhan教授によりはじめて報告され,発見者にちなんでLesch-Nyhan症候群と命名された.1967年にHPRT欠損が証明され,X連鎖性遺伝性の先天性プリン代謝異常症である.
病因
HPRT遺伝子の変異により,プリン・サルベージ経路の破綻をきたし,高尿酸血症・高尿酸尿を伴う.
神経症状
乳児期に運動発達の遅延があり,幼児期にアテトーゼ・舞踏病様不随意運動,脳性麻痺,知的障害が出現し,さらに強い自傷行為が認められるようになる.自傷行為は,口唇や指を強く噛み,出血・損傷・瘢痕を繰り返す.高尿酸血症による腎結石や尿路感染および腎障害をみる.B細胞欠陥による易感染傾向がある.高尿酸血症による痛風症状は思春期過ぎからみられるようになる.[青木継稔]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報