日本大百科全書(ニッポニカ) 「プルアパート堆積盆」の意味・わかりやすい解説
プルアパート堆積盆
ぷるあぱーとたいせきぼん
pull-apart basin
横ずれ断層の運動によって、断層と断層の間に形成された陥没地をいう。横ずれ断層が全体として連続しているのに一部で分離して雁行(がんこう)する場合に、雁行する断層に挟まれた部分が下降することにより形成される。礫(れき)、砂、泥の堆積物は堆積盆の両側の地形的に高い部分から供給されることになる。長野県の諏訪湖(すわこ)は、糸魚川(いといがわ)‐静岡構造線沿いに形成されたプルアパート堆積盆とされている。小規模なプルアパート堆積盆は、中央構造線活断層系などの横ずれ活断層でも形成され、その場所に沼地が見られたりする。また、地震断層で地表が横ずれにずれたときにも小規模な陥没地形として形成されることがわかっている。
[村田明広]
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