日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレビッシュ」の意味・わかりやすい解説
プレビッシュ
ぷれびっしゅ
Raúl Prebisch
(1901―1986)
アルゼンチンの経済学者。ブエノス・アイレス大学卒業後、1925年から48年まで同大学で教鞭(きょうべん)をとった。この間、1935年にはアルゼンチン中央銀行の創設に参与、43年まで初代総裁を務めた。第二次世界大戦後、国連ラテンアメリカ経済委員会(現ラテンアメリカ・カリブ経済委員会)事務局長(1948~62)、国連貿易開発会議(UNCTAD(アンクタッド))初代事務局長(1964~69)として活躍。UNCTAD第1回会議で、一次産品問題の討議用資料、いわゆる「プレビッシュ報告」を出し、開発途上国の交易条件の長期的悪化傾向を指摘、途上国の発展のためには、世界貿易構造の変革、途上国の経済社会構造の改革とともに、途上国の地域経済統合、特恵制度の採用が必要であることを主張。その後、ラテンアメリカ経済社会研究所所長、米州開発銀行総裁顧問を歴任した。
[相原 光]