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国連貿易開発会議 こくれんぼうえきかいはつかいぎUnited Nations Conference on Trade and Development; UNCTAD

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国連貿易開発会議
こくれんぼうえきかいはつかいぎ
United Nations Conference on Trade and Development; UNCTAD

発展途上国の経済開発を促進するため,その貿易振興をはかる目的で設置された国連総会の常設機関。1961年の国連「開発の10年」宣言をふまえ,発展途上諸国の主導のもとに 1964年ジュネーブで開催された。このとき発展途上諸国は「77ヵ国グループ」を結成し,南北問題の解決のため新しい常設機構の設立を要求して,同 1964年の国連総会において UNCTADを国連総会の直属機関とする決議を勝ちとった。1988年には加盟する発展途上国間の関税削減と非関税貿易障壁の排除・削除をはかる世界的貿易特恵関税制度 GSTP(→特恵関税),1989年には 1次産品の輸出に大きく依存する発展途上国に援助を提供する政府間金融機関の 1次産品共通基金 CFC,および債務削減に関するさまざまな合意が成立した。1990年代にはグローバル化が発展途上国に及ぼす影響に関して努力を傾注し,特に最貧・後発発展途上国を世界経済に統合する方向で力を入れた。UNCTADの最高決定機関である総会は 4年に 1回開催され,政策指針を定めて行動計画を採択する。国連事務局にも所属する UNCTAD事務局員は UNCTADの政策を分析し,政府間機関による決定事項の監視と実施を行ない,技術協力と情報交換を促進する。事務局にはグローバル化と開発戦略,国際貿易,投資・新技術・事業開発,およびサービス基盤施設の 4部門に加えて後発・内陸・島嶼開発途上国特別調整官事務所 OSC-LDCがある。貿易開発理事会 TDBは,UNCTADの常設機関として年 1回会合を開くが,その議席は 1976年から全加盟国に開放されている。事務局所在地はスイスのジュネーブ。

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知恵蔵の解説

国連貿易開発会議

主に貿易と開発に関する南北間の諸問題を協議するため1964年3月に設置された政府間会議で、国連総会に直属する常設機関。執行機関として貿易開発理事会が設置され、その下に(1)貿易、(2)投資・技術・金融、及び(3)企業促進・経済開発に関する委員会がある。事務局の組織としては、(1)グローバリゼーションと開発戦略、(2)国際貿易、(3)投資・技術・企業開発、及び(4)開発と貿易促進に関する部局と、後発発展途上国(LDC)・内陸国・島嶼(とうしょ)国の開発に関する特別室が設置されている。本部はスイスのジュネーブ。年間の運営費は約7500万ドル(2007年度)で、その67%が国連の通常予算で賄われる。07年8月末現在の加盟国数は193カ国。ほぼ4年に1回、総会が開催されてきた。

(室井義雄 専修大学教授 / 2008年)

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デジタル大辞泉の解説

こくれん‐ぼうえきかいはつかいぎ〔‐ボウエキカイハツクワイギ〕【国連貿易開発会議】

アンクタッド(UNCTAD)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国連貿易開発会議
こくれんぼうえきかいはつかいぎ
United Nations Conference on Trade and Development

略称UNCTAD(アンクタッド)。開発途上国の経済開発と貿易の促進を目的として設立された国際連合総会の補助機関。1960年ごろより国連の内外において、いわゆる「南北問題」に対する関心が高まり、国連は1961年の第16回国連総会において、1960年代を「国連開発の10年」と指定し、国連加盟国および国連関係機関が協力して途上国の経済開発にあたることを確認した。同時に途上国の要求に基づき国際貿易・開発問題に関する国際会議開催を検討する決議を採択した。途上国も1962年7月、同会議の早期開催を求める「カイロ宣言」を採択した。これにこたえて1962年7月の国連経済社会理事会および同年秋の第17回国連総会で、UNCTADの開催が正式に決定された。第1回UNCTAD総会は1964年3月にジュネーブで開催され、同年秋の第19回国連総会においてUNCTADを国連総会の常設補助機関とすることが承認された。
 UNCTADの加盟国は2014年1月時点で194か国である。これらは各国の開発段階に応じて、Aグループ(アジア・アフリカ諸国)、Bグループ(西側先進諸国)、Cグループ(中南米諸国)、Dグループ(東欧諸国)に分かれており、A、Cグループはいわゆる「77か国グループ」を形成する。UNCTADの会議においては、これらのグループ間交渉が行われるのが特徴である。
 UNCTADの主要機関は総会、貿易開発理事会Trade and Development Board(TDB)、常設委員会、事務局である。総会は最高決定機関で、少なくとも4年に1回開催される。TDBはUNCTADの中核的機関で、年1回開催され、各種の南北問題の討議および会議の諸勧告の実施状況の検討を行い、必要な措置をとる。TDBの下部機関として貿易開発委員会と投資・企業・開発委員会の二つの常設委員会が設置されている。事務局は国連事務総長によって任命される事務局長以下、約450人(2013年1月時点)のスタッフで構成され、ジュネーブに本部が置かれている。
 UNCTADは、本質的に、各国が集まって途上国の貿易と開発に関する諸問題を討議し、関係国や関係国際機関がとるべき行動を提案する場である。したがって、強い拘束力のある決定を行って加盟国の行動を拘束する機関ではない。対話を基本とするUNCTADにおいて、討議テーマが、当初の一次産品問題、一般特恵、経済協力から、開発金融、国際通貨、累積債務、サービス貿易、保護主義、構造調整、後発開発途上国(LDC)援助、途上国間経済協力、貿易効率プログラムなどの諸問題に拡張されており、その国際的調整はますます困難になりつつある。同時に、これらのUNCTADのテーマが実施段階に入ってくるにつれて、発展段階、産業構造、政治体制、資源政策などの相違に基づき、各途上国の南北問題への対応方法自体に格差が目だつようになり、UNCTADは先進国と途上国との相互依存問題に加えて、重層的分化を進めつつある途上国相互間における利害関係の調整という困難な課題に直面している。[横川 新]
『『UNCTADと日本』(1983・外務省情報文化局国内広報課)』

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世界大百科事典内の国連貿易開発会議の言及

【UNCTAD】より

…国連貿易開発会議United Nations Conference on Trade and Developmentの略称。1964年に設立された国連総会直属の常設国際機関で,発展途上国の経済開発を促進することにより南北問題を解決することを目的とする。…

【科学技術政策】より


[国際機関]
 全地球的視野で解決を要する天然資源,食糧,環境,衛生,エネルギーなどの諸問題についての活動が展開され,また発展途上国の国民経済の発展を図るための科学技術力の強化を図る援助活動が続けられている。国連における〈開発のための科学技術政府間委員会〉〈新・再生可能エネルギー政府間委員会〉などは総合的なものであるが,発展途上国援助につき国連開発計画(UNDP),国連貿易開発会議(UNCTAD),国連工業開発機構(UNIDO)などの機構において技術協力が活発化しており,また宇宙空間平和利用委員会,国連環境計画(UNEP)などの活動のほか,国際原子力機関(IAEA),国連食糧農業機関(FAO),世界保健機関(WHO),国連教育科学文化機関(UNESCO)等の専門機関が,それぞれ技術援助や情報活動を行っている。また経済協力開発機構(OECD)においては,科学技術政策委員会(CSTP)などいくつかの委員会で交流が行われている。…

※「国連貿易開発会議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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