べか車(読み)べかぐるま

精選版 日本国語大辞典 「べか車」の意味・読み・例文・類語

べか‐ぐるま【べか車】

〘名〙 江戸時代、多く大坂で用いた荷車。板製の二輪をつけ、大八車より幅が狭いもの。べか。
草茅危言(1789)五「上国に平地任載の小車有〈略〉大坂にてヘカ車と呼ぶ」

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改訂新版 世界大百科事典 「べか車」の意味・わかりやすい解説

べか車 (べかぐるま)

近世大坂市中で用いられた人力荷車。のちに板車ともいわれた。二輪車江戸大八車に対していわれた。積載量30貫(112kg),車力2人がかり。近世中期になって増加し,橋を通過するので人の往来を妨げ,橋の損害が大になったとして規制され,1824年(文政7)定数を1678両とした。また市中の独占川舟の上荷(うわに)舟,茶舟貨物を争奪するに至った。後期にはさらに進出し,荷物制限,積載制限,車力の増加要望,台枠の長さ制限などの問題が起こった。明治になって荷積車に代わった。
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世界大百科事典(旧版)内のべか車の言及

【車】より

…明治に入ると新しく乗用の人力車も登場し,荷車は全国に普及するが,それでも東京・大阪周辺に最も早く,多く存在した。近世には江戸の大八車と大坂のべか車が著名である。 大八車は車台の長さ8尺,幅2尺5寸で,台の長さによって大七,大六などという名もあった。…

※「べか車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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