上国(読み)ジョウコク

デジタル大辞泉 「上国」の意味・読み・例文・類語

じょう‐こく〔ジヤウ‐〕【上国】

都に近い国々。
律令制で、面積人口などによって諸国を大・上・中・下の四等級に分けたうちの、第二位の国。山城摂津など30余国。
都へ上ること。上京
「―のみぎりは、さいさい待ち入」〈咄・きのふはけふ・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「上国」の意味・読み・例文・類語

じょう‐こくジャウ‥【上国】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 都に近い国々。
    1. [初出の実例]「厭倦衙門苦、逢迎上国良」(出典:田氏家集(892頃)中・和野秀才秋夜即事見寄新詩)
    2. 「或は甲越の合戦と云ひ、或は上国と関東との取合と言ひ」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉五)
    3. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公二七年〕
  3. 令制で、国を管郡数・戸口数などにより四等級に分けたその第二位の国の称。山城・摂津など。大国・中国・下国に対していう。
    1. [初出の実例]「上国 守一人。介一人」(出典:令義解(718)職員)
  4. 近世石高(こくだか)が大きく、勢力の強い藩をいう。大藩。
    1. [初出の実例]「幸に上国世臣の家に生れて」(出典:俳諧・鶉衣(1727‐79)後)
  5. ( ━する ) 都へ上ること。
    1. [初出の実例]「左様之儀等聞合被成候て、上国有度候」(出典:上井覚兼日記‐天正一〇年(1582)一二月一二日)
  6. 文化の進んだ、優れた国。また、豊かな国。〔日葡辞書(1603‐04)〕

うわ‐つ‐くにうは‥【上国】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「上の国」の意 )
  2. 海底の国に対して陸上の国。
    1. [初出の実例]「上(ウハツ)国に還らむと意望欲(おほ)せり〈上国、此をば羽播豆矩儞(ウハツクニ)と云ふ〉」(出典日本書紀(720)神代下)
  3. 黄泉国(よみのくに)に対して現世
    1. [初出の実例]「吾が名妋(なせ)の命は、上津国(うはツくに)を知ろしめすべし」(出典:延喜式(927)祝詞鎮火祭)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「上国」の読み・字形・画数・意味

【上国】じようこく

かみがた。

字通「上」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android