知恵蔵 「ベビーシッターサイト」の解説
ベビーシッターサイト
ベビーシッター業界全体の健全な育成や関係者の資質向上などを目指す公益社団法人全国保育サービス協会によると、ベビーシッターとは本来、保護者の依頼に応じ、自宅に出向いて行って子どもを保育するサービスである。事業者約100社が加盟する同協会は、入会に際し、事業所を審査するなど独自の認定制度を設け、ベビーシッターの質を保証している。同協会加盟の事業所は、保育士や子育て経験者などが雇われ、研修なども行われ、保険なども整備されている。同協会のホームページでは加盟事業所を公開しているが、紹介・あっせんの意図はない。あくまでも保護者が信頼のおける事業所を自ら選定して契約を結び、シッターとの連絡を密に取りながら利用することを勧めている。
一方、ベビーシッターサイトに登録している事業所は同協会に加盟しているとは限らず、ごく小規模な事業所や、個人で事業を行っている個人シッターも存在する。ベビーシッターサイトに登録している事業所が悪質であると断定はできないが、同サイトを通じて派遣されたシッターがトラブルの原因になるケースが起こっている。
2014年3月17日には、ベビーシッターサイトを通じて預けられた横浜市の男児2人のうち、1人が保育に利用されたマンションで遺体となって見つかる事件が発生した。神奈川県警は同18日、ベビーシッターとして部屋で男児を預かっていた男性を死体遺棄の疑いで逮捕した。
厚生労働省はこの事件を受けて3月19日、「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」として、事業者の情報収集や事前の面接、事業者名、氏名、住所、連絡先、保育場所や登録証、保険などを確認した上で子どもを預け、預けている間もチェックし、子どもの引き渡し後も報告を求めることや、不満や疑問を事業者に伝えるよう注意を呼び掛けた。
(若林朋子 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報