フランスの首都パリの郊外、南西22kmのベルサイユ(Versailles)にある、ベルサイユ宮殿の広大な庭園。噴水、花壇、並木などが幾何学(きかがく)的に配置されたフランス式庭園で、多くの宮殿庭園の設計を手がけフランス式庭園の様式を完成させた、造園家のアンドレ・ル・ノートル(André Le Nôtre、1613~1700年)が設計を担当した。フランス王ルイ14世(1638~1715年)はベルサイユ宮殿を建設するに当たり、水の便の悪いベルサイユから10km離れたセーヌ川の川岸に巨大な機械を設置して、ローマの水道橋に似た水路をつくるなど、宮殿そのものよりもむしろ庭園のほうに労力と時間を投入している。