改訂新版 世界大百科事典 「ホウガンボク」の意味・わかりやすい解説
ホウガンボク (砲丸木)
cannon-ball tree
Couroupita guianensis Aubl.
ギアナ地方を中心に南アメリカ北部の熱帯に分布するサガリバナ科の落葉高木。高さ15~30mになり,幹に咲く花や砲丸状の果実がおもしろいので,熱帯各地の公園などにも植えられる。葉は長さ10~30cmの楕円形で,葉柄は短く,枝先に集まってつく。幹の各所から曲がりくねった細い枝のような,長さ30~150cmの花枝が多数出て,総状に花をつける。花は径約13cm,肉質の両性花で,萼片6枚,花弁6枚,雄器柄は肉質盤状で一部がアーチ形に花の中央に伸び,その上に多数のおしべをもつ。花弁は外側が黄色,内側は橙赤色で,縦に多数の黄色の脈がある。果実は径約20cmの球状で外殻は木化し,褐色に熟し,容器に利用される。中に軟らかい果肉と多数の種子があり,果肉には悪臭がある。
執筆者:緒方 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報