ホウ酸塩鉱物(読み)ほうさんえんこうぶつ(その他表記)borate mineral

改訂新版 世界大百科事典 「ホウ酸塩鉱物」の意味・わかりやすい解説

ホウ(硼)酸塩鉱物 (ほうさんえんこうぶつ)
borate mineral

ホウ酸を化学成分として含む鉱物。ホウ素原子は酸素原子により平面三角形,あるいは四面体的に配位される。このような構造単位はまた互いに重合して,(B2O54⁻,(B3O99⁻などのほか種々の巨大陰イオン基を形成する。そのためホウ酸塩鉱物としては100種類以上知られている。主なものはカーン石kernite Na2B4O6OH2・3H2O,灰ホウ石colemanite CaB3O4(OH)3・H2O,ルードウィ石ludwigite(Mg,Fe2⁺)2Fe3⁺(BO3),ホウ砂などである。これらは重要なホウ素資源で,その成因は火山噴気に起因するものが多く,砂漠地方,塩湖地帯に鉱床を形成する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホウ酸塩鉱物」の意味・わかりやすい解説

ホウ酸塩鉱物
ほうさんえんこうぶつ
borate mineral

(M1+2O)p(B2O3)q(H2O)n(n≧0) の一般式を有する各種ホウ酸の金属塩鉱物の総称。おもなものには,金属のオルトホウ酸 ( H3BO3 または B(OH)3 ) 塩とテトラホウ酸 ( H2B4O7 ) 塩の鉱物がある。前者の例としては小藤石ルドイヒ石 (Mg,Fe2+)2(Fe3+,Al)(BO5) など。後者の例としては,ホウ砂 Na2B4O7・5H2O などがある。前者の鉱物は主としてドロマイトなどの接触変成帯中,後者の鉱物は主として塩湖の沈殿物として産出する。

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