日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルドイヒ石」の意味・わかりやすい解説
ルドイヒ石
るどいひせき
ludwigite
日本でもっともよく知られたホウ酸塩鉱物の一つ。石灰岩あるいは苦灰岩の接触帯に産し、花崗(かこう)岩体からのホウ素化合物などの供給によって生成されると考えられている。ほかに超塩基性岩中にも産するほか、ベスビオ火山では火山放出物中に産する。自形はc軸方向に伸びた柱状で、頂部は錐(すい)面が発達し、菱形(ひしがた)の断面をもつ。苦土橄欖(かんらん)石、単斜ヒューム石、金雲母(うんも)、苦土スピネル、方解石などと共存し、二次的に分解してザイベリー石などになることもある。日本では福島県川俣(かわまた)町羽山(はねやま)鉱山(閉山)などから産した。命名はウィーン大学教授であったルートウィヒErnst Ludwig(1842―1915)にちなむ。
[加藤 昭 2018年12月13日]