ホオグロヤモリ(読み)ほおぐろやもり(その他表記)house gecko

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホオグロヤモリ」の意味・わかりやすい解説

ホオグロヤモリ
ほおぐろやもり
house gecko
[学] Hemidactylus frenatus

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ヤモリ科のトカゲ。同科ナキヤモリ属に含まれ、別名もナキヤモリという。徳之島以南の南西諸島のほか、台湾、中国南部、東南アジアニューギニア島、オーストラリア北部、アフリカメキシコなどに広く分布するが、人為分布によるものも少なくない。全長9~11センチメートルで、尾はその約2分の1、各尾節には棘(とげ)状の鱗(うろこ)が並ぶが、再生尾ではこれを欠く。人家や周辺の林に群生し、夜間に灯火付近に集まって昆虫類をとらえる。夜には家屋内でチッチッチッと盛んに鳴き交わす声が聞かれる。薄暗い場所では昼間でも行動する。産卵一度に2個ずつ壁などに産み付ける。南西諸島には同じ属のタシロヤモリH. bowringiも分布する。

[松井孝爾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホオグロヤモリ」の意味・わかりやすい解説

ホオグロヤモリ
Hemidactylus frenatus

トカゲ目ヤモリ科。体長 5cm内外。体は灰色で平たく,尾にとげ状の鱗が環状に並んでいる。人家やその周辺の森林すみ夕暮れになると高い声で鳴く。南アジアの原産とされているが,人の移動とともに広がり,いまでは全世界熱帯地方に広く分布している。日本では琉球列島小笠原諸島にみられる。

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世界大百科事典(旧版)内のホオグロヤモリの言及

【ヤモリ(守宮)】より

…年に1~2回産卵し,1回に2個を壁などにくっつけて産む。 ニホンヤモリはほとんど声をたてないが,南西諸島の人家に集団ですみつく全長10cm前後のホオグロヤモリHemidactylus frenatusやオンナダケヤモリGehyra mutilataは,夜間チッ,チッ,チッと盛んに鳴き交わす。トッケイをはじめほとんどのヤモリ類はよく鳴き,爬虫類の中では本格的な発声をする唯一のグループとなっている。…

※「ホオグロヤモリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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