日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホカケトカゲ」の意味・わかりやすい解説
ホカケトカゲ
ほかけとかげ
water lizard
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目アガマ科ホカケトカゲ属に含まれるトカゲの総称。この属Hydrosaurusの仲間は、フィリピン、スラウェシ島、ハルマヘラ島、ニューギニア島に分布する。全長80~100センチメートルに達し、尾はその約3分の2を占める。全身が細鱗に覆われ、頸部(けいぶ)と胴の背中線上には小さな棘(とげ)状の飾り鱗(うろこ)が並び、雄の尾の前半部には尾椎(びつい)骨の棘状突起に支えられた帆のような飾り鱗が発達する。このような飾りは、雄がディスプレーのとき、体を大きくみせるのに役だつと考えられる。フィリピンホカケトカゲH. pustulatus、アンボイナホカケトカゲH. amboinensisなどが知られ、森林の水辺の樹上にいることが多い。驚くとすぐに水中に飛び込んで隠れる。餌(えさ)は植物質や昆虫類である。
[松井孝爾]