インドネシア中部に位置する赤道直下の島。人口約1740万人。アルファベットの「K」に似た形をしている。最大都市は南部マカッサルで、日系企業も進出。日本の在マカッサル領事事務所によると、島内には日本人約100人が居住。トラジャコーヒーの産地として知られるほか、北部マナドはダイビングスポットとして人気がある。(ジャカルタ共同)
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インドネシア中央部に位置する大島。大スンダ列島の一つ。旧称セレベスCelebes島。面積17万9400km2,人口1490万(2000。属島も含む)。構造的にはアルプス・ヒマラヤおよび環太平洋両造山帯の会合地域にあたり,地盤の変動が激しく,特異なK字状の形を示す。ミナハサ,南東,南西および東の四つの半島を突出させるが,島の中央部は地形高峻で最高点は3455m(ランテコンボラ山)に及ぶ。数条の地溝帯もあり,そこにポーソ,マタナなどの湖水をたたえる。気温は常時高温であるが,海風の浸透でかなりしのぎやすい。雨量も一般に多く,全島はなお密林の卓越する所が多い。
島の原住民は奥地にプロト・マレー系のトラジャ族が住み,海岸では北東部にミナハサ族,南部にブギス族,マカッサル族などの有力な第二次(開化)マレー系が占居する。そして島の歴史は久しくこれら奥地住民と海岸住民との対立抗争により特色づけられてきた。南部の第二次マレー系は活動的で,船乗り,商業によりマレー諸島各地に進出し,また近代には島の南部にゴワ,ボネ(ボニ)などいくつかの有力なスルタン王国を成立させた。しかしスラウェシは東方の香料群島(モルッカ諸島)への中継基地として近世以後,ポルトガル,スペイン,オランダの進出地とされ,やがて全部がオランダ領となった。第2次大戦後スラウェシと改称され,行政的には南・北2州に分けられ(現在は4州),新しい時代を迎えた。島の人口の70%は南部に集中し,特にウジュン・パンダン(旧,マカッサル)を中心とする南西半島が開けている。米,トウモロコシ,豆類など各種農産物がつくられ,ウジュン・パンダン北方では水力開発も進んでいる。これに対しもう一つの中心は,メナドを中心とする北東部のミナハサ地方で,コプラ,木材の生産が多く,近年は沿岸漁業の基地にもなっている。これら二つの地域を除くと,島の大部分はまだ人口希薄であるが,インドネシアの新しい開拓地でもあり,近年は地下資源の豊富な埋蔵(特にニッケル,鉄鉱)も確認され,将来の開発の可能性は大きい。
執筆者:別技 篤彦
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インドネシア中部、大スンダ列島の一島。ボルネオ島の東に位置する。旧称セレベスCelebes島。面積17万9400平方キロメートル。人口約1541万0700(2001推計)。狭長な四つの半島からなり、その形状はK字状を呈する。構造的にはアルプス造山帯と、環太平洋造山帯が会合して形成されたものである。つまり、東の方向に突き出した北部のミナハサ半島、東部半島は前者に、ほぼ南北方向をとるケンダリア半島、マカッサル半島は後者にそれぞれ属する。全島山がちな地形をなし、マカッサル半島の付け根には最高峰のランテコンボラ山(3455メートル)がそびえる。中央部は起伏に富む険しい山地からなり、南北方向に走る数本の地溝帯にはいくつかの盆地やポソ湖、マタナ湖、トウティ湖などの湖がある。河川は一般に短く、しかも急流をなし、滝や峡谷に富む。海岸線は山地が海岸まで迫り、トミニ湾およびモルッカ海に面した北部の海岸を除けば概して複雑である。気候は赤道直下にあるため全体的に高温多湿で熱帯モンスーン気候の性格を示すが、低地は乾燥度の大きいサバナ気候である。人口は土地の肥沃(ひよく)な南部のマカッサル半島に集中している。マカッサル半島の先端部に位置するマカッサルは同島最大の港湾都市で、農産物、林産物、鉱産物の集散地である。
[上野福男]
…スンバワ島のタンボラ,スンダ海峡中のクラカタウ火山のように世界的な大爆発の歴史を示したものもある。また群島東部には環太平洋火山帯が通り,スラウェシ(セレベス)島,モルッカ諸島方面に多くの火山がそびえる。したがってインドネシアは全体として地震が多い。…
※「スラウェシ島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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