日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホグウッド」の意味・わかりやすい解説
ホグウッド
ほぐうっど
Christopher Hogwood
(1941―2014)
イギリスのハープシコード(チェンバロ)奏者、指揮者。ノッティンガム生まれ。ケンブリッジ大学に学び、レッパード、ダートThurston Dart(1921―1971)らの影響を受け古い音楽の演奏解釈を研究。1967年リコーダー奏者デビッド・マンローが設立したロンドン古楽コンソートEarly Music Consort of Londonに参加した。ハープシコード独奏者としても活躍。1973年に自らエンシェント室内管弦楽団(アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックAcademy of Ancient Music)を設立。作品が生まれた当時の楽器、編成、演奏法を可能な限り復活し、バロック、古典派の音楽を演奏、とくにモーツァルトの交響曲演奏に新しい時代を開いた。モーツァルトのほかハイドンの交響曲、イギリスの鍵盤作品、ビバルディの作品など多数の録音を行い、オーケストラやオペラの指揮にも進出している。また、楽譜の校訂出版も手がける。『宮廷の音楽』Music at Court(1977)、『トリオ・ソナタ』The Trio Sonata(1979)、『ヘンデル』Handel(1984)などの著書もある。
[美山良夫]
『海老沢敏編著『モーツァルト・18世紀そして現在――海老沢敏対談・鼎談・座談集』(1988・音楽之友社)』▽『吉田泰輔訳『宮廷の音楽』(1989・音楽之友社)』▽『三沢寿喜訳『ヘンデル』(1991・東京書籍)』▽『海老沢敏著『変貌するモーツァルト』(岩波現代文庫)』