日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホザキノフサモ」の意味・わかりやすい解説
ホザキノフサモ
ほざきのふさも / 穂咲房藻
[学] Myriophyllum spicatum L.
アリノトウグサ科(APG分類:アリノトウグサ科)の水生多年草。キンギョモ(金魚藻)ともいう。茎は長く伸びて分枝する。葉は4枚ずつ輪生し、長さ2~3.5センチメートル、羽状に細裂する。5~10月、長さ3~8センチメートルの穂状花序を水上に出し、各節に花を4個開く。雄花は花序の上部につき、花弁は4枚、雄しべは8本、葯(やく)は1.5ミリメートルで黄色く、花糸は糸状。雌花は花序の下部につき、花弁は4枚、子房は下位で萼筒(がくとう)は鐘形。果実はほぼ球形で長さ2.5ミリメートル、4分果に分かれる。池沼に生え、北海道から九州、および北半球に広く分布する。全体がフサモによく似ているが、フサモは、花が葉腋(ようえき)につくので区別される。名は、水上に穂状花序を出して花を開くようすからいう。キンギョモはよく金魚鉢に入れるのでいうが、マツモ科(APG分類:マツモ科)のマツモやスイレン科(APG分類:ジュンサイ科)のハゴロモモも俗にキンギョモとよぶことがある。
[小林純子 2019年10月18日]