ハゴロモモ(読み)はごろもも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハゴロモモ」の意味・わかりやすい解説

ハゴロモモ
はごろもも / 羽衣藻
[学] Cabomba caroliniana A.Gray

スイレン科(APG分類:ジュンサイ科。ハゴロモモ科ともいう)の多年生水草。北アメリカ南東部の原産フサジュンサイともいう。金魚鉢や熱帯魚の水槽などに入れるので俗にキンギョモともいう。また属名を用いてカボンバとも称する。茎は水中に長く伸び、節から根を出す。水中葉は対生し、扇形ないし腎臓(じんぞう)形で線状に細裂し、柄があり、長さ3~5センチメートル、水上葉は互生で、花と対生し、狭楕円(きょうだえん)形で小さい。ハゴロモモの名は、葉を羽衣に見立てたもの。花は径1センチメートル余り、夏に水面上に出て開き、萼片(がくへん)および花弁はともに3枚で白色、基部に黄斑(はん)がある。水槽でもよいが、池中に植えるとよく繁茂する。生育は水温20℃内外で盛んとなり、水が凍らなければ越冬できる。繁殖は挿芽により、ごく簡単に殖える。

[松岡清久 2018年6月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例