ポスト・ペインタリー・アブストラクション(英語表記)post-painterly abstraction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ポスト・ペインタリー・アブストラクション
post-painterly abstraction

絵画的抽象以後,の意。 1950年代中ごろから 60年代の,抽象表現主義を新たなスタイルの抽象によって乗り越えようとした画家たちとその作品。この名称は,C.グリーンバーグが 64年にロサンゼルス・カウンティ美術館で企画した展覧会名である。作家によってさまざまなアプローチがあるが,全体として個性的な要素や表現的なブラッシュ・ストロークを嫌い,アクション・ペインティングの無意識的な手法に変えて,クールに計算された形態,明確に区分された,明度の高い澄んだ色彩の領域を設定。触感や他のイリュージョニスティックな要素を排除視覚に純粋に訴える色彩を用い,絵画の物質性を強調した。 M.ルイス,F.ステラ,E.ケリー,L.プーンズ,A.ヘルド,J.オリツキらの作家がある。

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