1994年に登録されたメキシコの世界遺産(文化遺産)で、メキシコ・シティ南東約60km、標高5452mのポポカテペトル山の山麓一帯にある。1521年、コルテスがこの地を征服すると、スペインからドミニコ修道会、フランシスコ修道会、アウグスティヌス修道会などキリスト教各会派の修道士がメキシコを訪れた。そして彼らは、1525年から、ポポカテペトル山の西斜面に位置するクエルナバカに修道院を建設し、先住民への布教活動を始めた。これを皮切りに、山麓一帯に次々と修道院が建てられ、16世紀末には300以上にのぼった。この地の修道院の特徴は、礼拝堂が屋外に設けられていることである。これは、土着の宗教儀式が屋外で行われていたことから、先住民に受け入れられやすいようにしたものである。このような屋外開放型礼拝堂という特異な構造を有する16世紀の修道院のうち、ポポカテペトル山麓にある14の修道院がその代表的な建造物として評価され、世界遺産に登録された。◇英名はEarliest 16th-Century Monasteries on the Slopes of Popocatepetl