ポンテ・ベッキオ(読み)ぽんてべっきお(英語表記)Ponte Vecchio イタリア語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポンテ・ベッキオ」の意味・わかりやすい解説

ポンテ・ベッキオ
ぽんてべっきお
Ponte Vecchio イタリア語

フィレンツェアルノ川に架かっている当市最古の橋。1345年に再建されたままである。「ポンテ」は橋、「ベッキオ」は「古い」という意味。中世には、どこでも橋の上に店が並んでいたが、この橋はその貴重な実例であって、いまでも橋の上に宝石商などの店が並んでいる。16世紀後半にメディチ家が、住居にしていたピッティ宮とウフィツィ(事務所という意味、いまでは美術館)を結ぶ長い回廊をつくったが、その回廊がポンテ・ベッキオの上に重なっていて、独特の趣(おもむき)を添えている。なお、この橋のあるフィレンツェの歴史地区は1982年に世界遺産文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[紅山雪夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポンテ・ベッキオ」の意味・わかりやすい解説

ポンテ・ベッキオ
Ponte Vecchio

イタリア,フィレンツェの橋。ウフィツィ美術館パラッツォ・ピッティとを結んでアルノ川にかかる石造アーチの橋で,橋上には建造以来金細工師の商店が並ぶ。名称は市最古の橋からきており,1333年の洪水で流された 10世紀の木造橋のあとへ,T.ガッディ設計によって再建された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報