古い(読み)フルイ

デジタル大辞泉 「古い」の意味・読み・例文・類語

ふる・い【古い/故い/旧い】

[形][文]ふる・し[ク]
その状態になってから長い年月が経過している。
㋐そうなってから久しい。ずっと以前から現在にまで続いている。「―・い制度」「―・いレコード」「―・くからの顔ぶれ」⇔新しい
㋑昔の出来事である。「―・い話を持ち出す」⇔新しい
時代遅れである。古風である。また、珍しくない。「感覚が―・い」「その手はもう―・い」⇔新しい
食べ物などが、新鮮でない。「―・いりんご」⇔新しい
[派生]ふるさ[名]
[類語](1古めかしい古臭ふるくさかび臭い古びる古ぼける/(2時代遅れ流行遅れ古風こふう昔風むかしふう昔ながら古式旧式陳腐旧弊前近代的旧態依然中古オールドファッション弊害宿弊通弊語弊積弊流弊時代錯誤アナクロアナクロニズム固陋ころう頑愚頑迷気質かたぎ時弊余弊ださい年代物古色古色蒼然蒼然旧態使い古し陳套ちんとう旧套きゅうとうひねひね臭い時代掛かる時代めく昔ながら蒼古年季が入るレトロアウトオブデートオールドタイマー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「古い」の意味・読み・例文・類語

ふる・い【古・旧・故】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ふる・し 〘 形容詞ク活用 〙 昔のことであるさま、以前からあるさま、年月を経ているさまをいう。
  2. 遠い昔のことに属するさま。現在にかかわらない前の時代のことであるさま。
    1. [初出の実例]「立ちかはり古(ふるき)京となりぬれば道の芝草長く生ひにけり」(出典万葉集(8C後)六・一〇四八)
  3. 現在まで時間を経ているさま。年老いているさま。時代がたっているさま。
    1. [初出の実例]「春の時に陳(フルキ)葉落ちて更に新き葉を生す」(出典:大智度論天安二年点(858)六七)
  4. 特に、長い年月を経ていることに対するさまざまな評価を加えて用いる。
    1. (イ) 年月の重みが加わっている。古雅な趣がある。年功を積んでいる。経験が深い。
      1. [初出の実例]「錦・綾なども猶ふるき物こそなつかしう、こまやかにはありけれとて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
    2. (ロ) さびれている。古くさくなっている。
      1. [初出の実例]「鶉鳴く布流之(フルシ)と人は思へれど花橘の匂(にほ)ふこの屋戸」(出典:万葉集(8C後)一七・三九二〇)
    3. (ハ) 長い間使いならしてふるびている。
      1. [初出の実例]「相撲のころ、ふるき新しきと、一領づつひきつつみて」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    4. (ニ) 時代遅れである。陳腐だ。
      1. [初出の実例]「ふるき事ながら、此手たて、一度つつはくふ事也」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)七)

古いの派生語

ふる‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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