1997年に登録されたイタリアの世界遺産(文化遺産)で、ナポリ近郊南東に位置する。古代ローマ時代に栄えたポンペイとヘルクラネウム(現エルコラーノ)とトッレ・アヌンツィアータは、79年8月24日に起きたヴェスヴィオ山の噴火によって、その他の山麓の町々ともども火山灰と泥流に埋没した。ポンペイは1748年から、エルコラーノは1709年から、トッレ・アヌンツィアータは1964年から発掘が進められ、裕福な商業都市であった広大なポンペイの遺跡や、小規模ながらも保存状態のいいリゾート地のエルコラーノ遺跡、トッレ・アヌンツィアータの「ヴィッラ・ディ・オプロンティス」の壁画などが奇跡的に出現した。ポンペイのアポロ神殿、市場や大劇場、フォロ(公共広場)、住宅や商店などからはローマ時代の人々の贅沢で充実した市民生活の様子が見てとれ、考古学的見地からも、人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして世界遺産に登録された。 ◇英名はArchaeological Areas of Pompei, Herculaneum and Torre Annunziata