ミロナイト(その他表記)mylonite

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改訂新版 世界大百科事典 「ミロナイト」の意味・わかりやすい解説

ミロナイト
mylonite

マイロナイトともよぶ。動力変成作用をうけて変形し再結晶した岩石総称地下のやや深い所で剪断せんだん)変形をうけた岩石は延性的に変形し,破壊や断層による変形は少なくなる。延性的に変形するとき,岩石の鉱物組成はほとんど変化しないが,その組織,とくに結晶粒の大きさと形が著しく変化する。花コウ岩に似た岩石では石英粒は小さくなり,かつ伸長することが多いが,長石粒は周囲がこわれたり,またはそのまま残る。ミロナイトはやや温度が低い変成作用を同時にうけることが多く,変形にともない鉱物と鉱物が反応して新しい鉱物組成になることもある。地下の浅い所で動力変成作用をうけるとカタクラサイトcataclasiteという岩石になる。
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百科事典マイペディア 「ミロナイト」の意味・わかりやすい解説

ミロナイト

圧砕岩,マイロナイトとも。動力変成岩代表。圧砕された細粒部が再結晶して,圧砕を免れた残斑晶を取り巻いて流れたような構造を示し,肉眼的にも縞(しま)状構造を示す。石英・長石が主で,有色鉱物は圧砕作用で分解。日本では中央構造線内側に幅数百m発達するいわゆる鹿塩(かしお)ミロナイトと呼ばれているものがこれ。米国サン・アンドレアス断層に沿うものも有名。
→関連項目動力変成作用

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世界大百科事典(旧版)内のミロナイトの言及

【変成作用】より

…このとき岩石はその元来の組織をくずし,多くは細粒の結晶の集合体となり,また一部の鉱物は引き伸ばされる。このようにしてできた岩石をミロナイトと呼んでいる。中央構造線北側の鹿塩ミロナイトは有名である。…

※「ミロナイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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