剪断(読み)センダン(その他表記)shearing

デジタル大辞泉 「剪断」の意味・読み・例文・類語

せん‐だん【×剪断】

[名](スル)
断ち切ること。「綱を剪断する」
物体内部のある面に沿って両側部分を互いにずれさせるような作用

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精選版 日本国語大辞典 「剪断」の意味・読み・例文・類語

せん‐だん【剪断・翦断】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はさみきること。たちきること。
    1. [初出の実例]「葛藤窠の風前に剪断する亘天のみあり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)行仏威儀)
    2. [その他の文献]〔張雨‐再次韻沙刺班郎中春遊詩〕
  3. 力の方向変位の生じる面とが平行であるような変形。ずれ。

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改訂新版 世界大百科事典 「剪断」の意味・わかりやすい解説

剪断 (せんだん)
shearing

金属材料を目的の形状切断する加工法で,材料に加える力と材料に生ずる応力とが切断しようとする面に平行である場合をいう。上下の2枚の刃の相対運動により材料をとらえて切る装置一方が刃の形をしており,他方がダイスとなっている装置,あるいは両方が刃とは呼べない剛性の高い工具どうしの相対運動などによって材料が切断される。相対運動のさせ方としては,はさみのような形,紙切り(カッター)のような形,ピストンシリンダーのような形,回転する基盤に刃がついていて,走行する物体と同期させる形などがある。大は数百mmの厚さの鋼片から,小は数十μmの薄板までが,この方式で切断されている。目的としては,素材の大きさをそろえる,形を整える,製品の形状・品質と寸法をそろえるためなどがあり,加工品の精度の面からはcmからμmのオーダーまで,要求は多岐にわたっている。現在では板金プレス加工に欠かせない加工法の一つである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「剪断」の意味・わかりやすい解説

剪断
せんだん
shearing

物体を挟み切る作用。物体に、平行で互いに反対方向の力が作用し、ある面を通して一方の部分と他方の部分とが互いに滑るように働く作用をいう。一般に外力の作用により物体内に内力を生ずるが、物体内に仮想面を考えれば、この面に作用する内力は面に垂直な成分と平行な成分とに分けられ、面に沿った成分が剪断力で、剪断変形を引き起こす。剪断に対する弾性係数剪断弾性係数あるいは横弾性係数という。剪断作用は、梁(はり)や板が横荷重を受けるときや、軸がねじられるときに現れる。剪断機shearing machineによる鉄板などの切断や、打ち抜き、穴あけなどの剪断加工は、この剪断作用を応用したものである。

[林 邦夫・中條祐一]


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百科事典マイペディア 「剪断」の意味・わかりやすい解説

剪断【せんだん】

金属材料の切断加工法。材料に加える力と材料に生じる応力が切断しようとする面に平行になり,その面に沿ってすべりを生ずる。このような作用を起こすように働く力を剪断力,剪断力によりその面に沿って生ずる応力を剪断応力という。板金プレスにおける重要な加工法。
→関連項目応力

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岩石学辞典 「剪断」の解説

剪断

体積変化を伴わない歪の一種で,物体内の平面が一様な角度だけ傾くような変形[長倉ほか : 1998].

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「剪断」の意味・わかりやすい解説

剪断
せんだん

ずれ」のページをご覧ください。

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