マクマーン法(読み)マクマーンほう(その他表記)McMahon Act

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マクマーン法」の意味・わかりやすい解説

マクマーン法
マクマーンほう
McMahon Act

公式には「1946年原子力法」 The Atomic Energy Act of 1946で,同年8月1日に成立したアメリカの原子力国内管理に関する最初の法。法案提出者は B.マクマーン上院原子力特別委員会委員長。この法によって,アメリカの原子力事業は陸軍の手を離れ,原子力委員会 U. S. Atomic Energy Commission (AEC) という文官管理に移され,戦時体制から平時体制へと切替えられた。同法には,原子力平和利用に関する規定も設けられたが,当時の原子力事業はほとんど原子爆弾の製造であった。そして AECは,原子力に関する研究,開発,生産,許可などの諸分野を管理するとともに,あらゆる原子力物質,原子力施設などを所有し管理した。また同法では軍事連絡委員会を設け,AECと軍との緊密な連係はかり,さらに国内での科学情報交換についても,外国との情報交換についてもきびしい禁止条項が定められた。すなわちマクマーン法は「文官管理」という基本線を貫くことで成功したが,「武官管理」派と妥協した結果の産物でもあった。その後「1954年原子力法」がこれに取って代った。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android